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人生の午前と午後


約1ヶ月ほど前に、アメリカのself-empowerment、自己啓発書籍を数多く出版されていて心理学者でもあったウェイン・W・ダイアー博士が亡くなられました。ロンドンのWatkins bookの選ぶ、“世界でもっとも影響力のある現存のスピリチュアルリーダートップ100” に、ほぼ毎年トップ10入りされていた方です。ちなみに、2014年度のトップ10ランキングは

1位ダライ・ラマ14世

2位エックハルト・トール

3位ローマ教皇

4位ティックナット・ハン

5位ロンダ・バーン

6位ディーパック・チョプラ

7位オプラ・ウィンフリー

8位ウェイン・ダイアー

9位デズモンド・ツツ

10位パウロ・コエーリョ

となっています。宗教家から作家、医学博士、TVパーソナリティー、平和活動家など幅広い方々がリストに載っています。

わたしはダイアー博士のラジオ番組が好きでたまに聞いていたのですが、博士はなんというかとても人間らしい、おちゃめで、好奇心旺盛な親しみやすい方です。「思考が現実を引き寄せる」的なスピリチュアルな教えをとてもシンプルで分かりやすく、自分の体験をもとに語られる方。精神世界について初心者の方におすすめだと思います。以前はわりとガンガンいく人、という印象があったのですが、この7〜8年はなんだか雰囲気がソフトになられて、よりスピリチュアル度が増したような気がしていました。

博士は2009年に”ザ・シフト“という映画を製作されているのですが、その映画の中では「人生の午前と午後」というコンセプトが出てきます。

ダイアー博士によると、人は皆、人生の午前と午後を持っているそうです。これは心理学者ユングの教えを元にしているものです。

人生の午前では、よりエゴを満たすための活動にフォーカスするそうで、「ゴールを達成すること」や「周りに認められること」「評価されること」「物を収集する」「できるだけたくさんのことをする」などがその例だそうです。「いい成績をとる」などもその一部だそうで、“周りの人が自分をどう思っているのか” がとても重要だとのこと。自分のやっていること、自分の持っている物が自分だと信じている、それが人生の午前。

人生の午後に入ると、エゴに支配された生き方から、人生の本来の目的を求めて意識をシフトしていく作業に入るのだそうです。ダイアー博士は心理学者のカール・ユングの言葉を引用し、人は皆人生の午後、「人生の本当の価値について疑問を持ち始める」と説いています。それは、自分の内側から湧き上がってくる「声」に耳を済まし、エゴとは別の、人生の深い目的に向かって動きだすことだそうです。

もし、人生の午後に入っているのに本人が人生の午前のままの価値観で生き続けていこうとすると、さまざまな困難が起きるそう。これまで自分のエゴを満たしてきたことがもう心を満たしてくれないのに、いつまでも以前の価値観のまま生きようとするから「偽りの自分」を生きることになってしまう。人生の午前では真実だったことが午後には真実ではなくなり、他人と自分を比べる生き方では自分の心が満たされないことに気がつく。

などなど。。

では、その内側から湧き上がってくる「声」に耳をすますってどういうこと?という疑問がわいてくると思うんですが、ダイアー博士の場合は心の声に耳を澄ました結果、「所有物や今まで集めていた持ち物を処分したり寄付したりして、必要なものだけのシンプルな暮らしに切り替える」というところからスタートしたようです。

シフトを経験中には精神的にかなり落ち込んだり、感情が不安定になってきたりと、自分の価値観の変化に伴う様々な「チャレンジ」が人生に起きてくるようです。午前の価値観にしがみついたままでいようとすると、外側からも「変化」を後押ししてくるような出来事も起きてくるようで、さらにハードなチャレンジを経験することになるようです。

でもこの経験は、すべて本来の目的を理解するための気づき。葛藤をやめて力を抜いて"let go"(手放し)ながら"Accept"(受け入れる)することがキーポイントだそう。

ダイアー博士は、人生の午後は「外へ向かって無理にアクションを起こしていかなくてもいい」というようなことを語っていました。内なる声は必ずわたしたちをあるべき場所へと連れて行ってくれるそうです。ただエゴをできるだけ静かにして、心にきちんと耳を済ますことが重要だとのこと。心の声に素直にしたがって行動していくこと。また、映画では我々の魂の源(ソース)についても、ダイアー博士なりの解釈が説明してあり興味深いです。

個人的には、「エゴ」は人の個性を表すとても重要なものだと思います。エゴがあるから、それぞれの人生がユニークになる。エゴがあるから自分を表現できる。でも、エゴに力を与えすぎてしまうと、本来の人生の目的を見失ってしまうかもしれない。そんなことを、「ザ・シフト」を観ながら考えました。

ダイアー博士の「ザ・シフト」は日本でもDVDになっているようです。同タイトルの書籍も出版されていて、こちらも日本語になっているようです。

ザ・シフト(書籍

ザ・シフト(DVD)

#スピリチュアル #ヘイハウス #読書リスト

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