
先日のパリの襲撃事件はとても衝撃的でした。普段はテレビではニュースを見ないようにしているのですが、昨夜は現地に住んでいる友人のことを思うとパリの様子が気になり、久しぶりにCNNのニュース番組を見ました。
見ているだけでも悲しみと恐怖の気持でいっぱいになります。CNNでは、これがこれからの時代の”New Normalだ“(新しい常態・常識)なんて話している解説者もいて、アメリカにいるともちろん全く対岸の火事ではないこの事件に心が重くなりました。
「恐怖心」というのはとても厄介な感情です。人間のサバイバル本能が送る警告信号がわたしたちの恐怖を促している場合がほとんどだと思うのですが、こういう事件の場合には、警告されても個人レベルではできることにも限界があります。
9/11のテロ攻撃のように、国全体で「報復だ!」という流れになると、個人の意識もそちらへ向いて、恐怖に対してきちんと対策をとっていることになっていたのですが、今の時代、果たしてそれが本当の解決策になるのだろうか?と疑問を感じている方も多いのではないかと思います。報復が報復を呼び、ネガティブなスパイラルが出来上がってしまっているような気がします。
こんなとき、個人レベルでも恐怖心に対応するには、マインドフル瞑想の中でも重要な要素となっている、”Loving Kindness” 瞑想、つまり「慈悲の瞑想」かなと思います。
慈悲の瞑想は仏教の精神を最もよく表した瞑想法だと言われているそうなのですが、近年アメリカでは科学的にも様々な効果が認められています。慈悲の気持ち育てる瞑想をすることで、まず自分に対して優しさを育てることができます。これは体の痛みを緩和するだけでなく、ストレスを軽減しうつ病などを防いだり緩和したりする作用があるそうです。
また、瞑想以外にも、「祈る」行為によって、病気の患者の回復が早まるなどの研究結果も発表されてきています。
「思い」や「願い」が現実を好転させる作用があるということ。
最新の量子力学では、全てはエネルギーであり、人間の思考もまたエネルギーである、という解釈が広がりつつあるようですが、これは”Science meets Spirituality” (科学とスピリチュアルの融合)と言われ、スピリチュアルの考え方を近年、科学が解明し始めたことを意味しています。
慈悲の瞑想をすることの効果は、悲しみや恐怖心を感じた自分の心をまずしっかりと見つめてあげることから生まれます。そして、その悲しみに優しい愛のエネルギーを送ること。
そして、その慈悲の気持ちを周りの人にも向けます。悲しみや恐怖を感じている人に、優しい愛のエネルギーを送ること。実際に愛のエネルギーが相手に届いているところを想像すること。
この瞑想をしてみると、自分の中で悲しみと恐怖心がポジティブなものに変化したことを感じることができます。これは日々の生活で何か辛いことや悲しいことが起きた時にも有効な習慣です。
宗教家だけでなく、近年の宗教を持たない新しいピリチュアルリーダーたちも、「自分に優しくすること、自分を愛することが、全ての愛の基本で根源である」と話しています。自分に優しくすることで、周りへの愛も育っていくので、自分への愛がとても大切だとのことです。
以下、ダライ・ラマ法王のノーベル平和賞のスピーチより。
私たちの全て、抑圧者も友人も含め、全員のために、私は祈ります。人間に対する理解と愛を通じて、より善い世界の建設に成功しますように。そうすることにより、生きとしいけるものの苦痛を和らげることができますように・・・。
一人一人の思いが日々の生活を明るくし、やがて平和へと繋がるのだと思わずにいられない今日この頃です。
自分への愛情や優しさを高める新しい習慣として、ぜひ取り入れてみてください⭐︎