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自分の人生のドラマを生きる


「人生の目的ってなんだろう?」そんなちょっと重たい質問について考えてみたことがありますか? さまざまなことを経験していく人生の中で、きっと誰もが一度は考えてみる瞬間がやってくるのではないかと思います。「自分はなんのために生きていて、どこへ向かっているのだろう?」なんて、ちょっと哲学的で重たい疑問です。

こういうことって、落ち込むことが続いたり自分を見失ってしまったとき、または環境や状況の変化などに伴う孤独感を感じるとき、大切な人との別れを経験したときや人生で大きな壁にぶつかったとき等に考えることが多いかもしれません。

「自分の人生の目的を生きて、有意義な人生を送ること。」言葉にしてみると、何か大きなことを成し遂げなくてはならない気持ちになって、理想論みたいな遠い話のような気がする人も多いと思うのですが、そもそも有意義な人生ってなんなのでしょう。

心理学者ユングは、人は人生の後半で自己を見つめなおし、より大きなテーマに向かって歩き始めると定義しています。ウェインダイアー博士もこれを応用し、人生の午後では人はより深く自分を見つめ直す機会を与えられると話しています。

人によっては若い頃から人生の目的を探す旅に出る人もいると思います。特に現代社会では、子供の頃からベーシックニーズと言われる、生きていくのに必要なものや環境に恵まれて育ったゆとり世代が社会に出ているの時代なので、エゴや社会的成功、物質的欲求を満たすことを人生前半の目標として育てられてきた世代とは価値観も変わってきています。若いうちに「悟って」しまう人たちがどんどん増えていくので人生の早い段階で午後がやってくることもあります。

本題ですが、有意義な人生とはズバリ「自分自身を生きること」であると、現代心理学であるトランスパーソナル心理学者やヒューマニスティック心理学者たちは唱えています。自分自身を生きることとは、自分にとって何がワクワクする喜びで、なにが好ましくないことなのかを知っていくこと。

社会という「外側の世界」が自分に与えてくる状況や試練を自分なりの受け止め方で乗り越えていくことは、自分の個性的な人生を作り上げていく作業です。さまざまな経験をしていく中で、自分が何に強く反応しているのかを知っていくこと。そうやって生きて行く中で、自分にとって大きな意味を持つことを見つけ出していくことができます。それが人生の目的や有意義さに繋がっていくようです。

その作業にはエゴも役立ってくれます。エゴについてネガティブな印象を持ってしまいがちなわたしたちですが、実はエゴは自分が何に強く反応していて、何に敏感なのかを知るツールであると理解することができます。エゴをうまく利用することで、自分にとって本当に意味のあること、またはそうでないものを見つけ出すこともできます。このことについては別のエントリーで書いてみたいと思います。

自分自身を生きることは、自分を受け止めて癒して許して、そして認めてあげること。自分自身をまるごと受け止めてあげると、同時に周りの人々のこともありのままで受け入れることができるようになるので、全体的に否定しない生き方ができるようです。そうなると、その人が存在しているだけで大丈夫。社会の基準で何か特別なことをしなければいけないというプレッシャーから解放されて、自分にとって本当に意味があることに意識をシフトして集中していくことができるようです。

キラキラしている人たちって、実は関わっている仕事やプロジェクト、彼・彼女たちがいる環境が素敵だからではなくて、その人自体が自分自身の人生をしっかりと生きているから。自分を見つめて、自分に正直に生きているからなのだということですよね。

人生の目的は、自分の人生のドラマを精一杯生きてみることで自然と見つかっていくのだと思います。自分の人生を生きて、自分が自分の人生の主人公であるという事実を思い出すこと。ドラマを生きる最中でやってくる気持ちのアップダウンも、自分が何を求めているのかを発見する材料として前向きに利用していくことで、有意義な人生の送り方を見つけることができそうです。

#心と対話

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