
身近な人に「あなたってこうだよね」と言われて驚いたことがありますか?または、最近出会ったばかりの人に自分の印象を言われて、「ええ、そうなの?そう見えるの?」と愕然としたりなど。ネガティブなことを言われて傷ついたとかではなく、ただ自分の思っている自分とは違う印象を相手が持っていることに純粋に驚く瞬間です。例えば、自分はシャイで内気だと思っていたのに、周りは自分のことを外交的で物怖じしない性格だと思っていたなど。
つい先日、友人の中でももっとも社交的でよく発言する人物が、「自分を内向的だから」と表現したので「いやいやいやいや・・・」となる瞬間がありました。謙虚に発言しているとかでもなく、どうやら本人は本気でそう信じている模様。共通の友人たちにも、彼女が内気だという印象があるか聞いてみたところ、誰一人頷きませんでした。本人は困惑していましたが、まわりの意見を聞いていくうちに、次第に納得してきたようです。彼女に、どうして自分が内向的だと思うのかについて細かく聞いてみると、子供の頃に両親や姉妹、先生に言われた言葉や、若い頃の社交の場での苦い経験が元になって何十年もセルフイメージに影響していたことが分かりました。こういうことは、この友人に限らずよくあります。例えば、周りの目には「誰よりもまじめで働き者」のイメージを与えている人物なのに、本人は自分は怠け者だからもっと頑張らなければならないと常にプレッシャーを感じている、などです。背景には、両親や周りのの無理難題な期待に応えることができずにネガティブなセルフイメージを作り上げてしまった過去、があったりします。
このように、周りの人がその人に対して抱いてるイメージと、本人の持っている自己イメージにギャップが出る現象は、30代くらいからよく起き始めるように思います。そのことに気づかないでいると、ずいぶん年齢を重ねているのに、若い頃のセルフイメージにとらわれていることになり、余計なストレスを溜め込んだり、せっかくのチャンスを逃したりする可能性もあります。
「自分はもうシャイで内気ではない」そう理解した瞬間、これはセルフイメージ(自己イメージ)がアップグレードされた瞬間です。年齢を重ねていく中で、自分が自分に抱いているイメージはどんどん塗り替えられていきます。いろんな人と出会い、さまざまなグループに属し、数々の経験をしていく中で、若い頃に思っていた「自分という人間」の定義はどんどん変わっていくのが自然なのです。
クライアントさんにも、「自分はネガティブで暗いことばかり考えてしまう」と悩んでいた人が、セッションを重ねるごとに自分の明るい物の見方を発見して変化に驚く瞬間があります。そんな自分に気づいた瞬間、顔色がパッと明るくなり、何かがシフトしたのが外側から見ていても分かります。
「わたしは___(内向的・ネガティブ思考)だから」という表現から、「以前の自分は____だったけど」と表現できるようになる瞬間がセルフイメージのアップグレードが完了した証拠です。
人はどんどん成長して変化していくもので可能性は無限なのだと、友人やクライアントさんたちから学ばせていただいてます。