
「周りの誰かにイライラさせられているとき、その原因は自分にあります。」なんていう言葉を聞いたり読んだりしたことある方も多いのでは。この言葉をストレートに解釈してしまうと、「結局は自分が悪いのだ・・・」と沈んでしまいます。イライラされられた上に自分に自信がなくなるなんて、かなり悪循環ですよね。
この言葉の意味は、イライラさせてくる相手のネガティブ要素が自分の中にもある、というような単純なことだけではありません。本当の深い意味は、相手が何かをして、それに反応した自分がイライラする、その「反応」の原因が自分の中にあるという意味なのです。
例えば、 Aさんが職場の休憩時間に自分中心の話ばかりをする。最初はニコニコ聞いていたけど、あまりにも度が過ぎる。自分の話ばかり。みんながそんなに自分に興味があると思っているのかな?最初は不思議だなあと思う。でもだんだんイライラしてきた。空気読めてない。周りに気を配らせて話を振るとかしないし。社会人としての協調性がないと思う。
こんな感じでイライラしているとします。Aさんと接触するたびにイライラさせられるので、このイライラをどうにかしたいと思います。仕事上のことなので、避けるわけにもいきません。相手の存在・行動に完全に「反応」している自分がいます。
そして周りを見渡すと、みんながみんなAさんを疎ましく思っているわけではないのだと気づきます。Aさんの話をニコニコと心から楽しそうに聞くことができる人もいるようなのです。そんな様子を見ていると、イライラしながらも「原因は私の中にあるのかも」と思い落ち込みます。
この場合の自分の反応について、その原因を確かめるべく心の中を探っていくと分かってくることがあります。例えば、Aさんのように自分中心に展開していく人が、実は羨ましいと思っている自分を見つけることができます。なぜなら、自分は「社会人として協調」するために、周りの空気を読み、自分を抑えてがんばっているから。本当は性格的に人よりも自己主張したい部分が強い人なのかもしれません。なので、目の前で自由にそれをやってのけるAさんを見せられることで、自分の中の押さえつけられている部分が反応して、ちょっと暴れ出す?かのうようにイライラするのです。「なんであの人はそれが許されてるの?」という具合に。
これに気付いた後の対処法は、まず自己を抑えて周りに協調しようとしている自分を認めてあげること。自分の頑張りを褒めてあげることです。だって本当は、もっと自己主張したいのにそれを無意識に律して頑張ってきているのだから。
そして次にできることは、自分が自己表現できる場を作ること。職場で自分がプレゼンできる場を作るというストレートなアプローチもありますが、それ以外にも、例えばプライベートの趣味などの自分が好きなことで、自分を表現できる場所を用意することです。これについては、人それぞれのユニークな方法があると思いますが、大切なのは一歩踏み出して、人の注目を集めることをやってみることがいい対策法かなと思います。
この例の場合は上記のような対策法になりましたが、イライラという反応の原因は人それぞれです。何が見えてくるのかは探ってみないと分かりません。
誰かにイライラさせられているとき、自分の反応がどこから来ているのかをじっくりと探ってみましょう。その先には、自分でも気づいていない、またはすっかり忘れてしまっていた自分の大切な個性があります。その個性が目の前の出来事に「反応」することで、イライラが起きているのです。
気づいて目を向けてあげると、その「個性」が満足するだけでなく、自分が何を求めているのかが分かって、それを行動に移すことで視野が拡がり、新しい世界が展開していくことになります。「イライラ」は実は自分の金脈を見つけるためのキッカケかもしれません。反応が強ければ強いほど、そこには意味があるのです。