
生きていると毎日いろんなことが起きます。一見何にもないように思える1日でも、心は見えないところでアップダウンを繰り返しています。
たとえば、朝何気なくつけたテレビのニュースで悲しい事件を報道していて気分が下がってしまったり、通勤途中に人混みや渋滞で気分が悪くなったり、「おはようございます」と話しかけた相手にそっけなく返されてムッとしたり、誰かの愚痴や悪口を聞いて、「自分もこんな風に思われていたらどうしよう」と不安になったり、楽しみにしていたスイーツが売り切れていてがっかりしたり、人生すごくうまくいっていそうな人と自分を比べて落ち込んだり、など。
こんな全然大したことじゃないようなことでも、実は気分はいちいち小さく下がってしまっているものです。
そうかと思えば、お休みに何をするか考えてワクワクしたり、いい本を読んで元気になったり、気の会う友人とのやりとりで気分が上がったり、どこからか自分の好きな曲が流れてきてうれしくなったり、予定通り物事が進んで充実感を感じたり、お店の店員さんに親切に対応してもらえて心が温かくなったり、ご飯が美味しく作れて満足したり、お風呂につかってほっこりしたりなど、小さくても気分が上がる出来事も結構色々あるものです。
何気ない1日、特にドラマが起きたわけでなくても、結構いろんなことが起きていて、考えさせられたり感情を小さく揺さぶられたりしています。
心理学では感情を水に例えることがあるのですが(夢分析でも、水に関わる夢は感情や潜在意識として分析することがあります)心はまるで水のように、形を変えたり温度を変えたり、静寂の時もあれば激しく波打つ時もあり、たった24時間の中でもさまざまに変化しています。
そして無意識に過ごしていると、この水の’変化をそのままストレートに経験してしまいます。外側からやってくる出来事に左右されて何が起きるか分からない毎日。私たちの気分は上がったり下がったり、自分にはコントロール不可能のように感じます。
でも、注意深く見てみると、よくよく自分に起きていることを考えてみると、本当は外で起きることに丸ごと流されなくてもいいだと気がつけます。例えば、気分を悪くする可能性があるニュース番組は朝一で見ないようにするとか、誰かにそっけなく接されても「相手が冴えない日を過ごしているのだ」と考えてさらっと流すとか、愚痴や悪口を言う人からはさりげなく距離を置くとか、工夫することで影響を小さくすることができます。
避けられるネガティブはできるだけ避けて、もし避けられない状況に遭遇したら、意識的に気持ちを切り替えるようにしたり、傷ついた心はちゃんと癒したりして自分に優しく接するようにするようにします。また、嬉しい出来事はしっかりと「嬉しい!」と噛みしめるようにします。「ツイテル!」と自分に言い聞かせてもいいし、物事がスムーズに進むという小さなミラクルに、感謝の気持ちをいっぱいにして、ほんの一瞬でも浸ってみるのもいいです。
そうやって、自分の気分をある程度は自分で決めるようにすることができるのだと思います。または、「自分の気分には100%自分で責任を持つ」という言い方もできるかと思います。
自分の1日は誰のものでもない、自分のもの。きちんと意志を持って意識して、心がけながら過ごしていきたいなと思います。