
前回、オプラ・ウィンフリーさんの3つの法則について書いたのですが、その中のNo.2にあった「意思を持つこと」について、今日は心理学の少しだけテクニカルな観点から書いてみたいと思います。
心理学者ロベルト・アサジョーリは、意思には主に4種類あると唱えています。
1)強い意思
何としてもこれをやる!という強い意思
2)たくみな意思
思考やスキルを使って、やりたいことを現実化にしていくために必要な意思
3)善良な意思
自分のためだけじゃなく、自分以外の人や社会にもよい影響を与える意思
4)トランスパーソナルな意思
論理的には説明できないけれど、どうしてもそれをやらなければならないと感じさせる意思
たとえば、“強い意思”と“たくみな意志”を兼ね備えた人は、社会的に成功したりリーダーになったと夢を現実化する可能性が高くなります。でもそこに“善良な意思”が欠けていると、たとえ成功しても孤独感を感じたり、深い部分で満たされない経験をすることになります。
一方で、“強い意思”と“善良な意思”だけでは、スキルや戦略がかけているため、「こうしたい!」という勢いはあっても、実際に目標達成するのは難しいでしょう。熱く夢を追い求めるけれどなかなか現実にできない人になってしまうかも。
そして“たくみな意思”と“善良な意志”だけでは、壁にぶち当たった場合に粘り強く突き進むことができず、立ち往生してしまいます。コツコツと続ける力や頑固さが欠けているため、ほどよい場所にたどり着いたらそこで満足・または諦めてしまいがちです。
3つの意思を持って目標に向かって進んでいくと、たとえば著名人で言えば、マザーテレサ、ガンジー、ダライ・ラマのように、世の中に貢献しながら自分のしたいこと・信念を貫いて、周りの理解・協力を得ながら進んでいく人生を送る、ということになるようです。
そして、4つ目のトランスパーソナルな意思とは、自分の理解を超えたレベルでやってくる意思のことを意味しています。周りから見たらなぜそんなことをしなければならないのか理解できないけれど(本人もそう感じているかも)でも、深い部分で「これは絶対にやらなければいけないことだ。通らなければならない道だ。」または「やることで大きな何かが待っているはず。」という、見えない確信のようなものがあります。いわば魂のミッションのようなもの。たとえ無視しようとしても、どこからともなくプレッシャーがやってきて、結局はやらなければならない。そんな感じで取り組むことになることもあるようです。
それぞれの意思が欠けてる、または強化したいと思った時にできることはこんな感じです。
1)強い意思
何度かトライしてダメだったら諦める、またはきっとこうなるべきじゃないんだ、と考えてそれ以上トライすることをやめるのが強い意思が欠けている場合に見られるパターン。強い意思とは頑固にそして地道に続ける力を意味しています。
たとえば、芸術家に人は日によっては「今日は気分が乗らないから作業しても意味がない」そう思う日もあるかと思いますが、それでもとりあえず作業場へ行って取り組んでみることが強い意思を示す行動。素晴らしい結果は、コツコツ継続することから生まれるー。本気でやりたいことならば「繰り返すこと」で道が開けていきます。プロのアスリート達も「コツコツと繰り返すことの大切さ」について話している人が多いですよね。
2)たくみな意思
情報やスキル、戦略など頭を使った部分がたくみな意思。この部分を強化するためには、情報を集めることや専門家の意見を聞くなどして知識を身に付けることが効果的です。また、試行錯誤して色々なやり方を試したり、ネットワーキングして周りの協力を得るなど、やりたいことを現実的に動かしていくワザを身につけていきます。
3)善良な意思
「自分のやっていること・やりたいことが、他人や社会環境などに直接的または間接的に貢献することになるか?」という視点から考えます。サバイバル本能にスイッチが入っている状態だと、つい自分のメリットを優先しがちになるものですが、心が落ち着いている時やワクワクしている状態で大きく物事を捉えてみると、自分が本気でやりたいことは、きっと自分以外の人にも役立つことなはずです。その夢を叶えたら周りにどんな風に影響していくのかを具体的に想像してみることで、宇宙から協力的な波動を引き寄せることができ、想像していた以上に大きなことを成し遂げることができたりします。
4)トランスパーソナルな意思
これは強化したり自分から探しにいくというよりも、向こうからやってくるというイメージです。普段から自分に正直にいられるように心がけていると、嵐のようにやってくる、または湧き上がってくるトランスパーソナルな意思に比較的早い段階で気づいて行動に移していくことができるようですが、そうでない場合は強い拒否反応が出たり、たとえそれが自分のミッションだと分かっていても進むのを避けるなどして遠回りしてしまうようです。
意思は誰でも持っているもの。たとえ自分は意思が欠けている、または意思が弱いと思っていても、心の奥底には叶えたい夢や目標のカケラがたくさん眠っているはず。
意思を持つこと、意思を行動に移してくことは、自分らしい充実した人生を送るためにとても大切なことです。そして、意思は自分らしさを極めていく人生の旅路に欠かせない方位磁針のようなもの。
自分に欠けているのはどの意思なのかを意識して目を向けてみると、自分を制限している原因を見つけることができるかもしれません。
やりたいことを妨げている原因を見つけたらどうする?
次はそんなテーマで書いてみたいと思います。