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6つの機能


私たちの思考は休むことなく動き続けます。次から次へと何かを考えて、とどまるところを知りません。目の前に起きていることについて考える以外にも、思考の材料が探して未来や過去に思いをめぐらせ、とにかく考える材料を見つけて休むことなく思考を刺激してくれる材料を探しているという具合です。

多くの人が思考こそが自分自身だと考えています。でも、実際には思考は自分自身の一部であり、全部ではありません。思考は私たちが持っている機能の一つであり、全てではないのです。

心理学者ロベルト・アサジョーリは、人の機能には主に6つの異なる機能があると唱えています。

  • 思考

  • 感情

  • 感覚(五感で感じる)

  • 直感

  • 想像すること

  • 衝動的な欲望

人は皆、この6つの機能を持っているわけですが、その人の育ち方・生き方によって、どの機能はより発達しているかの個人差があります。たとえば、アカデミアで知性を発達させる育ち方をしてきた人は、すべての機能の中でも「思考」が発達しているかと思います。一方で、身体に重点をおいたトレーニングを積んできた人(スポーツ選手やダンサーなど)は、「感覚」、「想像すること」、そして「直感」が発達していることでしょう。心が繊細な人は、「感情」が他の人よりも発達しています。突発的な欲望に身を任せるワイルドな人生を歩む人は、「衝動的な欲望」に身を任せるのが他の人よりも自然にできるということです。

そして、これらの機能を中心でコントロールしているのがSelf(セルフ)と呼ばれる自分自身の中心です。私たちのセルフは、自分自身の「意思」を動かし実現して行くために、これら6つの機能を使っています。

たとえば、「旅行で初めての場所を訪れる」というシナリオで考えてみると、自分はどの機能がより発達しているのかを見分けることができるかもしれません。自分のお金と時間を使って旅をどんな風に体験するのか(自分の意思を実現する行為)に、その人の6つの機能の使い方が現れてきます。

思考の機能が発達している人は、旅に出かける前に下調べや情報集めをしっかりとしてプランを練ることでしょう。もれなく行きたいところへ行き、やりたいことができるように、計画的な旅行プランを立てることができます。プランA、プランBという風に、オプションまで用意しておくことのできる、気の利いた旅行プランナーです。

感情が発達している人は、「感動体験」を大切にします。もれ無く行きたいところへ行くことよりも、感動を求める旅を好むため、旅の内容にもその傾向が現れるかもしれません。旅の思い出を語る時、感情が揺さぶられた体験をより印象的な思い出として語ることでしょう。たとえば、世界遺産などのランドマークを見たことよりも、地元の人との何気ないけれど暖かい交流などをより強く記憶します。また、感情が発達している人は他人の感情にも繊細なため、自分の行きたいところよりも他の人が行きたいところを優先する傾向があるかもしれません。

衝動的な欲望が強い人は、行き当たりばったりの旅を楽しむことができます。旅のスケジュールが用意されていたとしても、それに従わずにその場のエネルギーや感じていること、その土地で出会った人と交わした会話に自分の興味や欲望をそそることを見つけたら、それに沿って行き先を自由に変更することでしょう。

感覚が発達している人は、五感で感じる体験に重点をおいた旅を計画するでしょう。食、アート、体を動かすことなどを取り入れた旅を計画します。旅先で五感を大いに刺激することが、充実した旅をする鍵となります。

想像することが発達している人は、普段からそのイマジネーション力を使って面白いことを考えたり、空想旅などをしているため、初めての訪れる場所でも、まるでその場所をすでに知っているかのような旅をすることができるかもしれません。

そして、直観力が発達している人は、旅を計画している時からすでに直感につながってプランニングするので、自分が好きなこと、楽しめることについての情報を、無駄なく集めて計画に組み込むことができるでしょう。

6つの中で、どれか一つの機能だけが発達していると決まっている訳ではなく、人によっては2つ、3つの機能が同じくらい発達している場合もあります。

どれが一番好ましいということはありません。なぜならたとえどの機能が発達していたとしてもそれがその人の個性だから。でも、一方で「自分にとって一番弱い機能を発達させるように心がけると人生にマジックが起きる」と言われています。これは、普段は無意識に行っている自分のパターンを意識的に変えることで、視野を広くしてものの見方・体験の仕方を変化させることができるからです。確かに、自分の視野を広めること、体験の仕方が変わることほど「マジック」なことってありませんよね。

また、調子が良くない時には、6つの機能の中でそのときあまり使っていない機能に焦点を当てた行動をとってみると、現状打開のヒントが見つかるとも言われています。

たとえば、私は調子が悪くなると「思考」頼りになって、他の機能が鈍くなる傾向があります。そんなときは自分の持つもう一つのドメイン機能の「直感」と繋がれるように、いろんなことをするように心がけています。そして、調子が悪いともっとも鈍くなりがちな「想像すること」を刺激するために、アートをしたり本を読んだりして、自分に好ましい形でイマジネーションを働かせて心に栄養を与えるようにしています。わたしの場合は「思考」では現状打開できないことが多いので、弱くなっている機能に気づいてそれらを活性化することが大事だと、身にしみて感じています。

思考に自分自身が支配されそうになる前に、その他の機能をアクティベートさせて行き詰まることを避けるようにすることが、バランスを整えるコツかなと思っています。いつでもすぐにバランスを戻すことができるわけではありませんが、意識することですこしずつコツを掴めるようになっていきます。これはまさにセルフケアです。

皆さんはどの機能がより発達してるでしょうか?ほとんどの人が無意識で使っているこれらの機能ですが、発達している機能、発達していない機能を考えてみると、気づくことがあると思います。

#サイコシンセシス #心のエステ

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