
今日はアメリカで最も愛されたファーストレディーとして常にランキングトップに挙がる女性エレノア・ルーズベルト(1988-1962)さんの言葉をインスピレーションにして書いてみたいと思います。
エレノア・ルーズベルトとは?
エレノア・ルーズベルトは活動的なファーストレーディーとして知られています。大統領となった夫(フランクリン・ルーズベルト)を妻として支えるだけに留まらず、自身も政治活動家として人権問題に熱心に取り組み、 晩年は国連代表を務めるなどして、大統領の妻の枠を超えた活躍で世の中に大きなインパクトを与えました。裕福な家柄に生まれながらも家庭崩壊した環境で育ち、若い頃は精神的な苦労が多かったようです。結婚後も息子を溺愛する儀母との関係でかなり苦労したもよう。
生涯を通じて人権活動に取りくみ、とくに、社会的に弱い立場にあるマイノリティーや女性の社会問題には熱心でした。シェルターでボランティアをし、弱い立場にある人たちと直に接することで、自分が必要とされる喜びを感じ、また当時の世の中のありかたに強い問題意識を持っていたようです。夫が大統領時代におこなった画期的な政策(特に弱い立場にある人たちへの政策)の多くは、妻エレノアの影響があると言われています。「影の大統領」と呼ばれるくらい夫の政治活動のインスピレーションとして活躍していたようです。アメリカでは「人権の母」と呼ばれ、とあるウェブサイトの最近の調査では、歴代ファーストレディー人気ランキングは1位がジャクリーン・オナシス・ケネディー、2位がエレノア・ルーズベルト、3位がミシェル・オバマとなっています。
私生活では夫と秘書の長年の不倫関係も受容していたそうで、その上でお互いを支え合う「同志」としての夫婦関係を築いていたようです。エレノア自身も側近の男性と愛人関係にあったと噂されていますが、中でも最も注目されていたのは、ジャーナリストの女性、ロレーナ・ヒコックとの友情の絆を超えた同性愛関係です。二人が性的な関係を持っていたかという確証はないようですが、親密な絆で結ばれ互いの人生を支え合っていたということは確かなようです。とにかくいろんな意味で豊かな人生を送った女性。
素敵な言葉たち
文筆家としても活躍されていて、コラム、自伝本、エッセイなど出版されています。今日はその中一冊、”You learn by living”という本の中から、個人的にいいなと思ったエレノア・ルーズベルトの言葉をいくつか紹介します。
“No one can make you feel inferior without your consent.”
あなた自身の許可なくして、ほかの誰かがあなたを劣った存在だと思わせることはできない。
自分がほかの誰かよりも劣っていると感じるのは、自分が自分にそう感じることを許可しているから。誰かが好き勝手に自分に対してコメントしているのを正面から受け止める必要はありません。もしくは、「こうあるべき。これがいい。」とだれかが決めた条件に自分が見合っていないからといって、人より劣っていると感じる必要もなし。自分の価値は自分が決める。そんな強い心を持っていたいなと憧れます。
“It’s your life – but only if you make it so.”
人生はあなたのもの。でもそうできるかどうかはあなた次第。
自分の人生を誰かのために生きていることが多い私たち。それが特定の誰かのためである場合もあれば、「世間の声」に流されて自分らしさを忘れてしまっていることもあります。エレノアは、自立した意見を持ち、自分の個性に誇りを持って生きていくことの大切さを主張しています。他の人の意見に流されたり、誰かの期待に応えるための人生から、自分のための人生へ。なかなか簡単なことではないですが、本当に心から満足できる人生を送るためには「強くなること」が必要なのでしょう。
“Do what you feel in your heart to be right – for you’ll be criticized anyway.”
どちらにしたって批判されるのだから、あなたのハートが正しいと感じることをしなさい。
結局は誰にとっても100%いい決断なんてなかなかあるものではありません。後悔しない人生を送るためには、「自分のハートがこうしたい」と思うことをするのが、自分にとってだけでなく、最終的には周りの人にとっても最良の決断となるのだと感じます。
“I am who I am today because of the choice I made yesterday.”
今日の私があるのは、これまでの選択があるから。
小さなことから大きなことまで、私たちの日常は決断の連続です。そしてその決断の積み重ねが今日の自分をつくっています。その瞬間瞬間を大切に自分自身に忠実に生きていれば、いずれは自分が目指している方向へと無理せずに自然と成長していけるのかなあと思います。
“Nothing has ever been achieved by the person who says, ‘It can’t be done.’”
「そんなことはできるはずがない」というのが口癖の人に、何かが達成できたためしはありません。
夢をみて、そして夢に向かってとりあえず実行してみる。成功できるかよりも、まずは信じてやってみることの大切さを思い出させてくれます。「そんなの無理でしょ。」と言う考え方や発言をやめて(またはそんなことを言う人に耳を貸すのをやめて)なんでもとりあえずやってみようと進んでいける自分でありたいです。
“It is better to light a candle than curse the darkness.”
暗闇を呪うくらいなら、キャンドルに火を灯すほうがまし。
暗闇はあちこちに存在します。人の心の中にも、世の中の情勢にも。もし暗闇に直面したならばその中にとどまって悶々とするよりも、光を灯せないかな?と、できるだけ素早く発想転換したいです。
エレノアのエッセイを読みながら、彼女の決まった型にとらわれない、リベラルで革新的、そして愛と希望のある生き方は、日々の意識の積み重ねによって作られていったのだと感じます。毎日を丁寧に、自分に正直に、素敵に歳をかなせていきたいなと思わせてくれます。

今が旬の牡丹、そしてフレンチラベンダー。現在の住まいでは育てることはできないので、近所のお花屋さんで買ってきました。春から夏へと季節が変わっていくこの時期、今年前半の疲れも出やすくなっています。小さな幸せを感じられるものをいつも以上に住環境に取り入れて、過ごしやすくしたいなと思っています。