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インナーチャイルド

Updated: May 14, 2020


今日は久しぶりにインナーチャイルドについて、書いてみたいと思います。先日、ウィル・スミスの奥さん(ジェダ)と娘(ウィロウ)と儀母(ジェダのお母さん)がメインでやっているトークショー「Red Table Talk」を観ていたところ、ウィル・スミスの奥さんジェダが、ウィル・スミスのピュアで子供っぽい部分に実は長年イライラしていたというエピソードがありました。このトークショー、毎回アメリカにおける人種問題や恋愛、家族関係などをウィル・スミス家の女史たち3人(3世代という世代の違いがポイント)がその道を生きるゲストを招いて独自の角度から突っ込んでゆく、正直でなかなか濃いトークショーです。

ジェダは、その長年のイライラが最近自分の中のインナーチャイルドを解放させたことでなくなり、人生をもっと楽しめるようになったというようなことを話していました。ウィルに対してもイライラすることがなくなっただけでなく、そのピュアさに感謝できるようになったとのこと。ウィル・スミス自身もこのトークに参加していたのですが、「つい先日、久しぶりに夫婦で涙が出るほど面白くて笑いが止まらない瞬間があったよね、何年ぶりだろうね。」と言っていました。ジェダが、「結婚してからいろんなアップダウンがあったけど、あの大笑いした夜に、なんでこの人と今ここにいるのかが、久しぶりに納得できた瞬間だった。」と話していて、なんとも印象的でした。私自身も個人的に共感できる部分があるこのエピソード。

人は誰にでも、いろんな側面があります。それをキャラクターと呼んだりしますが、一つのキャラクターで作られているものではなく、例えば状況や接する相手によってキャラクターをを入れ替えていたりします。例えば、多くの人は家庭での自分と、会社での自分は同じではないはず。そして親友といる時と、ただの知り合いといる時とではまた違うキャラだったりします。

一人の人の中に、妻キャラであったり、母キャラであったり、長女であったり、娘であったり、そして真面目な会社員であったり、親切なご近所さんだったり、無口だけど行儀のいいお客だったり、飲み会の盛り上げ役だったり、、といろんなキャラクターが存在しています。人によっては、このキャラとあのキャラが同じとは思えない!というほど、違う側面を持っていたりすることもあります。また、人によっては自分の中のキャラの違いを多少は認識できるけれど、そう大きく違いはないという人もいるかもしれません。キャラの違いを楽しんで演じている人もいれば、ただ単に自分の中の何パーセントをここで見せるかどうかだけの違い、と感じる人もいるかもしれません。

そしてその中に、自分の中のインナーチャイルド的な存在、「子供の自分」がいます。インナーチャイルドとは簡単にいうと自分の中の子供心です。難しいことを考えずにただひたすら遊んだり、学んだり、眠ったりしていたころの子供時代の自分。成長の過程でさまざまなことに「目的」や「ゴール」を持たなければならなくなり、我慢したり、気を使ったり、限られた時間で効率的にやらなけらばならないことが増えて、そして「責任」を持つことを学んだことにより、子供心はどんどんその存在感を小さくせざるおえなくなってゆきます。

インナーチャイルドは忘れられてしまったことにいじけています。忘れられているだけならまだいいのですが、場合によってはその存在自体を否定されている場合もありますので、かなり弱っていたりもします。

インナーチャイルドが自分を否定されてと感じるのは、たとえばあなたが誰か他人の子供っぽい決断や行動を「無責任だ!」批判している時や、遊び心を持って人生を楽しもうとしている人を「くだらないことに費やす時間があっていいね」などとグチってしまうとき、そして誰かの子供っぽい部分を垣間見たときに「できない人だ!」とか「大人気ない」「よくやるわ。。。」と軽蔑してしまうときなどです。

インナーチャイルドは、あなたが誰かの子供心を垣間見た時にそれを否定することでとても傷ついてしまいます。なぜならそれはあなた自身が自分のインナーチャイルドにしてきたことだから。ほとんどの場合、人はしっかりした大人にならなければ社会で生き抜いていけないと思ったとき、子供心を封印してしまうから。

封印されたインナーチャイルドは自分の立ち位置を奪われ、隅で大人キャラたちの様子を観察しています。そして一見、大人キャラたちの存在に埋もれてしまい消えてしまったかのように見えますが、実は密かにちゃんと存在しています。いつか自分の存在がまた必要とされる日が来るかもしれないという期待を込めて、そして傷ついた心を癒してほしいという願望を持って。

封印されたインナーチャイルドが再び活躍する時期というのは多くの場合、人生の後半のようです。ある程度の社会経験をし、人としてそれなりの人生の波を経験してきてそれなりの大人になったと実感できる頃、自分の中に「もっと本当にしたいことをしてみようかな」という声が聞こえてくるときがあります。それは別の言葉でいうと、「自分の中の子供心を解放させてもいいかな」ということ。

あるいは、人生の岐路に立たされるような出来事が起きて、自分の中の傷ついている部分を見つめて癒すことを強いられるような状況がやってきた場合、過去に戻ってインナーチャイルドを癒す旅に出る人もいます。

子供心は一度解放させるとものすごいパワーを発揮してくるので、最初は自分も周りも戸惑ったりすることがあるかもしれませんが、そこで怖くなってまた封印してしまわずに、ちょっと時間をかけて関係を作り直すことに努めてみます。時間とともに落ち着いて、上手に自分の子供心と付き合えるようになっていくと、やがては自分の人生の体験が以前とは比べ物にならないくらい濃く深くそして面白く満たされたものとなってゆきます。

中には、大人になる過程でインナーチャイルドを完全に封印せず、他のキャラクターたちと共存させて上手に自分のインナーチャイルドを使えている人もいます。そういうタイプの人は、周りの人からちょっと危なっかしいとか、身内は大変だろうな、なんて思われている可能性がありますが、実際にはいろんな場面で、その遊び心の精神で出会う人々の心を明るく照らしたり笑顔にしたりしています。

もし、自分がそういう人に対してイライラしたりする場合、相手の子供っぽいキャラクターを観察して、同時に自分が自分の中のインナーチャイルドを抑圧していないかを考えてみてほしいなと思います。そしてもし、抑圧しているかもしれないと思った場合は自分の子供心がいつかまた活躍できる日を待って期待していること、そして傷ついた心を癒してくれるように願っているということを思い出してみてほしいです。

先に書いたウィル・スミスとジェダの話しもそうですが、自分をイライラさせる相手は、自分の中の何かを解放させる鍵を持っていたりします。

ライフコーチング では、自分の子供心にアクセスする心のワークをやったり、またヒプノセラピーを通して、自分のインナーチャイルドに会いに行ったりなどすることもあります。インナーチャイドルの心のワークはとてもパワフルです。玉ねぎの皮を一つ一つ向いていくような作業で、一気に解放されて癒されるというようなものではありませんが、まずはきっかけをつかんで外側の大きな皮をむくことができます。

人によっては、インナーチャイルドを生涯封印したまま解くことがない場合もあります。それはけして健康的なことではないので、オススメできません。子供は危なっかしいところもありますが、実は大人よりも楽しむことや、人生の謎解きが得意だったりします。そして、子供心を解放させてあげることは、自分自身を「ありのままで大丈夫だよ」と、もっとも深い部分で受け入れてあげることなのだと思います。

#本当の自分 #インナーワーク

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